湘南しらすとは

黒潮にのって相模湾へ

神奈川県相模湾では主にマイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシの三種類のイワシが漁獲されていますが、湘南しらすのほとんどは生まれてから20日~50日を経過したカタクチイワシの稚魚で、体長2~3センチほどの透きとおった白銀色の魚体が特徴です。

毎年春になると、太平洋を西から東へ流れてくる黒潮にのって沢山のしらすが相模湾へ来遊します。神奈川県では毎年3月11日からしらす漁が解禁になり、12月31日までの10か月間にわたり漁が行われます。4~6月頃に獲れる「春しらす」、9~11月頃の「秋しらす」は魚自体の甘味が特につよく、地元でも旬の味として親しまれています。

鮮度の秘訣は「一艘曳き(いっそうびき)漁法」

しらす漁は大きく分けると、一隻の船で網を曳く「一艘曳き」と二隻の船で網を曳く「二艘曳き」があります。

神奈川県相模湾で行われている「一艘曳き」は「二艘曳き」と比べると漁獲量はかなり劣ります。しかしながら、網揚げまでの時間が長く掛かる「二艘曳き」に対して、「一艘曳き」では投網から5分ほどで網を揚げることができるため、魚体を傷めず、とても鮮度の良い状態で水揚げすることができます。

また、一度に網に入るしらすの量も少ないので、魚自体の重みによる傷みも抑えられるというメリットもあります。湘南しらす漁船は全船がこの「一艘曳き」で漁を行っています。